この記事で分かること
- 年末調整の繁忙期に、4人が何に張り付いていたのか
- パソコンを持たない社員が多い工場で、どう切り替えたのか
- 自社の繁忙期の業務で、まず何を確かめればいいか
改善前 → 改善後
4名 × 2ヶ月
紙で行っていた年末調整
1名 × 1ヶ月程度
SmartHR で行うようにした後
以前は毎年4,000枚程の紙を1枚ずつ入力
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
年末調整の紙は、どこで時間を使っていたのか
マルコメは1854年創業、長野県に本社を置くみそメーカーです(従業員101〜500名)。労務は本社がまとめて担い、グループ各社から書類を集めて、問い合わせや手続きにも対応しています。
年末調整では、集まった紙を1枚ずつ給与システムに打ち込み、内容を確かめ、回覧してファイルしていました。社労士に共有するために郵送することもあります。繁忙期は短期の派遣や外部への委託で人手を補っていましたが、コロナ禍でそれが難しくなりました。在宅勤務が中心になっても、紙の手続きのために出社する人がいました。
02How ─ 変えたこと
給与明細から始め、段階を踏んで年末調整へ
複数のサービスを説明とデモの操作で比べ、年末調整を含め解決したい課題にできることが多い SmartHR を選びました。人事のシステムはすでに使っていましたが、それとは別に入れています。
切り替えは段階を踏みました。まず4月に新卒社員から使い始め、次に給与明細を SmartHR で配って全員に一度ログインしてもらい、そのあとで年末調整を行っています。担当者は、最初に登録して給与明細を見るところから始めたのがよかったのかもしれないと振り返っています。
製造業のため、全員にパソコンを貸しているわけではありません。工場などの拠点にはオンラインの説明会とマニュアルで操作を案内し、社員の個人のスマートフォンやパソコンを使ってもらいました。端末を持たない人のために、共有の iPad を置いた部署もあります。案内には、SmartHR の説明資料を自社向けに手直しして使いました。
マクセラスの解釈
年に1度しか使わない年末調整でいきなり使い始めるのではなく、毎月見る給与明細で先に慣れてもらったことが、初めてのスマートフォンでの提出を早く終わらせた要だと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01紙を配る
- 02回収する
- 031枚ずつ入力
- 04回覧・ファイル
- 05社労士へ郵送
5工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01紙を配る
- 02回収する
- 031枚ずつ入力
- 04回覧・ファイル
- 05社労士へ郵送
AFTER
- 01給与明細で慣れる
- 02本人がスマホで入力
- 03データで確認
- 04社労士もログイン
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 本人が入力した内容をデータで集める
- 昨年の情報と並べて確認できるようにする
人に残したこと
- 記入
- 社員は個人のスマートフォンやパソコン、共有の iPad から入力します。
- 内容の確認
- 担当者は集まったデータを確認します。在宅勤務でも対応できます。
03After ─ 結果
4名で2ヶ月から、1名で1ヶ月程度に
4名で対応していた年末調整は1名で回せるようになり、2ヶ月かかっていた期間も1ヶ月程度になりました。紙の中身を確かめる必要がなくなり、昨年の情報と比べる確認もデータで楽にできます。何千枚もの紙は持ち帰れませんが、今は在宅勤務でも対応できます。
申告の仕方についての質問はほとんどなく、パートの多いグループ会社の提出は予想より早く終わりました。浮いた時間は、育児休業や社員が知っておくべき法律についての資料づくりに使えるようになったとしています。
- 身上変更申請の書類
- 年間500枚程を削減
数字の出どころ
SmartHR が公開したマルコメ株式会社の導入事例による、同社の報告値です。同ページには公開日の記載がなく、取材時点は明示されていません。人数と期間の削減は年末調整業務に限った数値で、残る3名がほかに何をしているかは書かれていません。
04自社への応用
自社の繁忙期の業務にも、同じ山はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、繁忙期の山を人を集めて乗り切るのをやめ、紙を配って集めて打ち込む工程そのものをなくしたことです。
- 年末調整
- この時期だけ派遣を入れる、他部署から応援を出す
- 棚卸
- 決算期に営業を止めて全員で数えている
- 決算
- 月初と期末に経理が張り付き、ほかの仕事が止まる
- グループ会社の労務
- 各社の書類を本社が集め、まとめて打ち込んでいる
まず何を調べるか
まず去年の繁忙期に、何人が何日その業務に張り付いたかを書き出し、そのうち「紙を配る・集める・打ち込む」に使った日数を分けてください。その日数が大きければ、人の確保より集め方を変える方が効きます。パソコンを持たない社員が多い職場でも、スマートフォンで入れる形にし、難しい人だけを例外にできます。
マクセラスの解釈
繁忙期の対策を、人の確保で考えない。
人を増やして乗り切っても、来年も同じ人数が要ります。私たちも季節の山がある業務では、集まった後の処理より「集まり方」を先に見ます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 毎年4,000枚程の紙を1枚ずつ打ち込み、繁忙期は派遣や外部委託でしのいでいた
- 新卒社員と給与明細で先に慣れてもらい、スマートフォンと共有の iPad で年末調整を切り替えた
- 自社では、去年の繁忙期に張り付いた人数と日数を、工程ごとに分けて書き出す
参考資料
- マルコメ株式会社 導入事例SmartHR・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

