この記事で分かること
- 給与計算の手前で、何が整っていなかったのか
- システムより時間をかけた「社内のルールづくり」とは何か
- 自社の給与計算で、まずどこの時間を測ればいいか
改善の結果
7〜8割削減
給与計算業務にかかる時間
出典が示しているのは導入前と比べた割合だけで、作業時間の前後は公表されていません。そのため前後の比較は載せていません。
導入から運用まで約1週間
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
勤務時間は、なぜ厳密に管理できていなかったのか
AI inside は、手書き文字を読み取る AI-OCR を開発・販売している会社です(従業員51〜100名)。打刻はタイムカードで、残業を含む勤務時間をしっかり管理できているとは言えない状態でした。稟議も紙で回し、社長に押印してもらっていました。
社員が少なかったころは、紙で回しきれない部分を声のかけ合いで補っていました。ただ、顧客の情報を扱うサービスを提供しているため内部統制を強める必要があり、将来の上場も見据えて早めに手を打つことにしました。
02How ─ 変えたこと
システムより先に、社内のルールを整えた
複数のサービスを比べ、機能の多さより導入の速さと価格を重く見て、ジョブカンの勤怠管理とワークフローを選びました。人数分だけ払う料金で費用が読みやすく、問い合わせへの対応がいちばん良かったことも理由です。設定は簡単で、導入から運用まで1週間程度で済んでいます。
時間をかけたのは、システムの設定より社内の規定づくりです。誰が何を決裁できるかという規定や権限を整え、社内のルールを作り直すきっかけにしました。稟議は紙からシステムに移り、申請する側と承認する側の両方の手間が減っています。
勤怠は、記録したデータを取り出してレポートの道具で見える形にし、管理職に共有して残業時間を知らせています。36協定を守るための使い方です。
マクセラスの解釈
給与計算の時間が減ったのは、計算を速くしたからではなく、計算の元になる勤務時間がタイムカードの集計を経ずにデータでそろうようになったからだと当社は読んでいます。決裁のルールを先に決めたことで、仕組みに載せる中身が定まったことも大きいと見ています。
業務の流れの前後
- 01タイムカード
- 02集めて整える
- 03紙で稟議・押印
- 04給与計算
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01タイムカード
- 02集めて整える
- 03紙で稟議・押印
- 04給与計算
AFTER
- 01システムで打刻
- 02勤怠データ
- 03残業を可視化
- 04給与計算
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 打刻の記録と勤怠データの蓄積
- 稟議の申請と承認の受け渡し
人に残したこと
- 規定と権限の整備
- 誰が何を決裁できるかを決め、社内のルールとして整えました。
- 残業の確認
- 見える形にした勤怠を管理職に共有し、残業時間を知らせます。
03After ─ 結果
給与計算の時間は導入前の2〜3割に
給与計算業務にかかる時間は、導入前と比べて7〜8割減りました。社員ごとの残業時間を管理できるようになり、決裁の規定や権限も整っています。
今後は、顧客から届く紙の申込書を読み取り、ワークフローへ自動で渡すなど、AI-OCR と RPA を組み合わせた自動化を考えているとしています。経費精算はまだ紙のままです。
数字の出どころ
ジョブカンが公開した AI inside 株式会社の導入事例による、同社の報告値です。7〜8割は導入前と比べた割合で、導入前を10とすれば2〜3になった計算です。作業時間の絶対値や、打刻とワークフローのどちらの効果かは公表されていません。
04自社への応用
自社の給与計算にも、同じ手前の手間はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、重い給与計算そのものではなく、その手前の勤怠の記録と決裁のルールを整えたことです。後ろの工程が重いとき、原因は手前にあることが多くあります。
- 給与計算
- 月初に勤怠の確認から始まり、修正の依頼が飛び交う
- 請求
- 作業実績がそろわないと請求書を作れない
- 原価管理
- 工数の入力が遅れ、締めてから集計が始まる
- 稟議・決裁
- 誰が承認するか決まっておらず、紙が社長に集まる
まず何を調べるか
まず次の給与計算で、計算そのものの時間と、その前の「勤怠を集めて確かめ、直してもらう」時間を分けて測ってください。前の時間のほうが長ければ、計算のソフトより打刻の形を見直す方が効きます。タイムカードのままなら、集計に何時間かかっているかが判断の目安です。
05まとめ
まとめと参考資料
- タイムカードと紙の稟議で、勤務時間と決裁が人の手と声かけに頼っていた
- 速さと価格で仕組みを選び、時間はシステムより決裁の規定や権限の整備にかけた
- 自社では、給与計算の時間を「計算」と「その前の準備」に分けて測る
参考資料
- AI inside 株式会社 導入事例ジョブカン・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

