この記事で分かること
- 年末調整の時間を、実際に使っていたのは誰だったのか
- 兼務の担当者が、2か月で切り替えられた進め方
- 自社の全社手続きで、まず何を掛け算すればいいか
改善前 → 改善後
1.5時間
社員1人の年末調整(紙)
0.5時間
SmartHR で手続きした後
年末調整の時間を全社で98時間削減
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
年末調整の時間は、誰が使っていたのか
カルテットコミュニケーションズは、リスティング広告の運用代行などを手がける IT・インターネットの会社です(従業員51〜100名)。当時は人事・労務の専任がおらず、紙で行う年末調整を経理が担っていました。
時期になると、担当者は社員の質問に答えながら書類を集めて中身を確かめ、社労士とも連絡を取り合います。残業が毎日のように続いていました。一方で、書類を書く社員の側も1人ずつ時間を使っています。
マクセラスの解釈
担当者の残業は目に見えますが、社員が書類を前に悩む時間は誰の作業時間にも数えられません。この事例の数字は、その見えない側のほうが大きかったことを示していると当社は見ています。
出典の数値
- 社員88人ぶんの記入88時間
- 人事・労務担当の処理約10時間
02How ─ 変えたこと
完璧を待たず、たたき台で年末調整に間に合わせた
会社としてペーパーレス化を進めたい意向があり、SmartHR を入れました。初期費用や構築費がかからず、年末調整を皮切りに入社手続きなども効率化できると説明して、社内の稟議を通しています。
担当した管理部の中村さんは、情報システム・入社対応・採用・総務を兼ねたまま導入を進めました。力を入れたのは2つです。1つは社内への周知で、何を目指して何を入れるのかを全社向けの説明会を2度開いて伝えました。もう1つは環境づくりで、SmartHR の担当者と定期的にオンラインで相談し、疑問はチャットですぐに聞いて作業を止めませんでした。
方針は「最初から完璧を目指さない」ことでした。必須の設定だけで始め、経営陣や社員の声を聞きながら直していく。年末調整の時期が迫るなか、2か月で運用を始め、中村さんの月の残業は10時間未満で済んでいます。その後、人事評価は2週間で使い始めました。
マクセラスの解釈
社員が紙に書く手間を、画面の質問に答える形に変えたことで、書き方の問い合わせも記入の時間も同時に減った事例です。兼務の1人でも回せたのは、作り込む前に締切に間に合う形を出し、直しながら使ったからだと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01紙を配る
- 02書き方を聞く
- 03手書きで出す
- 04経理が点検
- 05社労士とやり取り
5工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01紙を配る
- 02書き方を聞く
- 03手書きで出す
- 04経理が点検
- 05社労士とやり取り
AFTER
- 01画面で入力
- 02ヘルプで解決
- 03コメントで差し戻し
- 04担当が確認
03After ─ 結果
全社で98時間。問い合わせも激減した
紙のころは社員1人あたり1.5時間かかっていた年末調整が0.5時間になり、1時間程度減りました。88人ぶんで88時間、人事・労務担当側の10時間ほどと合わせて、全社で98時間の削減です。
直してほしい書類はコメントを付けて差し戻せるようになり、年末調整はほぼ SmartHR の中で終わります。用語や手順はヘルプの記事で社員が自分で解決できるため、担当者への質問は激減しました。
- 入社手続き(新入社員1名あたり)
- 4時間 → 1時間
数字の出どころ
SmartHR が公開した株式会社カルテットコミュニケーションズの導入事例による、同社の報告値です。98時間は「社員88人×1時間程度」と「人事・労務担当側の10時間ほど」を足した計算として示されています。実測ではなく、1人あたりの目安から積み上げた数字です。
04自社への応用
自社の全社手続きにも、見えない時間はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、時間を使っていたのが担当者より、書類を書く社員の側だったことです。全員が少しずつ関わる手続きは、どの会社にもあります。
- 年末調整・住所変更
- 全員が紙に書き、書き方の質問が担当者に集まる
- 入社手続き
- 紙や Excel で受け取った情報を、担当者が転記し直す
- 健康診断の申込
- 紙を配って回収し、誰が出していないかを追いかける
- 研修の受講報告
- 全員が同じ内容を、ばらばらの形式で提出する
まず何を調べるか
まず、全社員が関わる手続きを3つ挙げ、それぞれ「1人あたり何分か」を数人に聞いてください。その分数に社員数を掛けた時間と、担当者の作業時間を並べます。社員側のほうが大きければ、担当者の作業を速くするより、社員が書く形そのものを変える方が効きます。
あなたの会社なら、何時間か
全社員が対象になる手続きは、人数をそのまま入れて計算してください。
マクセラスの解釈
担当者の時間より、全社員の時間のほうが大きい。
この事例では削減分の約9割が社員側で、紙のころに社員全体が使っていた時間は、当社の掛け算で132時間(88人分)になります。私たちも、全社員が関わる手続きから先に見ます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 年末調整の時間の大半は、担当者ではなく紙の書類を書く社員の側で使われていた
- 説明会と定期的な相談で周知と準備を進め、たたき台から直す方針で2か月で切り替えた
- 自社では、全社手続きの1人あたりの分数に社員数を掛け、担当者の時間と並べる
参考資料
- 年末調整を効率化。2か月でのスピード導入を実現した「全社一丸」の想いSmartHR・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

