この記事で分かること
- 受付の人数を増やさずに店舗を倍にするには、何が要ったのか
- AI に任せた質問と、手順を決めて自動にした予約の分け方
- 自社の問い合わせで、まず何を書き出して数えるか
改善の結果
月200時間削減
対応スタッフが問い合わせに使う時間
出典が公表しているのは月あたりの削減量だけで、1件あたりの対応時間の前後は示されていません。そのため前後の比較は載せていません。
自動化率は66%に
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
店舗を倍にするとき、受付はどうなるのか
Hello Sugar は米国アリゾナ州に本社を置く脱毛サロンのフランチャイズで、2015年の創業です。事例の公開時点で81店舗を運営し、その年のうちに160店舗まで増やす計画でした。
店舗が倍になれば、問い合わせも増えます。それでも同社は、受付のスタッフを増やさずに、顧客の体験の質は上げたいと考えていました。同社が自動化の対象にしたのは、サービスの内容や料金、来店前の準備、店舗の場所といった答えの決まった質問と、予約の手配です。
02How ─ 変えたこと
答える質問と、手順で進める予約を分けた
最高技術責任者は、まずサービス内容と料金についてのよくある質問から、生成 AI で自動で答える形にしました。導入はベンダーのカスタマーサクセスのチームと一緒に進めています。
次に、問い合わせの種類によって仕組みを使い分けました。サービスの内容や来店前の準備、初めての客の不安への返事のように言い回しに幅があってよいものは生成 AI に答えさせます。一方、予約は手順をあらかじめ設計した会話で進め、外部システムとの連携で店舗を確かめ、予約用のリンクまで自動で出します。
あわせて、全国の各店舗の詳細と場所をまとめたナレッジベースを整え、AI が迷った客に正確な道案内をできるようにしました。今後は予約の変更にも連携を広げ、既存の問い合わせの種類を見直して自動化できるものを探す計画です。
マクセラスの解釈
要は、すべてを AI に任せず「自由に答えてよい質問」と「手順どおりに進めるべき予約」を分けたことだと当社は読んでいます。答えの材料となる店舗の情報を先に整えたことも、自動で答えられる範囲を広げています。
業務の流れの前後
- 01問い合わせが届く
- 02受付が読む
- 03受付が答える
- 04受付が予約する
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01問い合わせが届く
- 02受付が読む
- 03受付が答える
- 04受付が予約する
AFTER
- 01種類を見分ける
- 02質問はAIが答える
- 03予約は手順で自動
- 04残りを受付が見る
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- サービス内容・料金・来店前の準備についての質問への回答(生成 AI)
- 店舗の場所の案内(ナレッジベースを参照)
- 予約の手配と予約リンクの作成(手順を設計した会話と連携)
人に残したこと
- 自動化しきれない対応
- 受付の手作業はまだ残っており、同社は連携を広げてそれを減らす計画です。
03After ─ 結果
自動化率は66%、受付の時間は月200時間減った
生成 AI と手順を設計した会話を組み合わせた結果、自動化率は66%に達しました。対応スタッフの時間は月200時間、対応コストは月14,000ドル減っています。問い合わせには数秒で返事が届き、顧客からの評価も上がったとされています。
- 対応コストの削減
- 月14,000ドル
- 店舗数
- 81店舗(160店舗へ拡大の計画)
数字の出どころ
Zendesk が公開した Hello Sugar の導入事例による数値です(2024年8月公開)。自動化率は出典で「66%以上」とも書かれています。店舗数を160まで増やすのは事例公開時の計画で、実績ではありません。
04自社への応用
自社の問い合わせにも、答えの決まった質問はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
「店舗や拠点が増えると人も増やす」構造は、問い合わせのところで最初に効いてきます。この事例の要は、質問の種類ごとに任せ方を変えたことです。
- 多店舗展開
- 本部への問い合わせが店舗数に比例して増える
- サービス業
- 料金と予約の質問が電話で来る。同じ説明を繰り返す
- 通販・EC
- 配送状況の確認が問い合わせの大半を占める
- BtoB
- 納期と在庫の問い合わせを営業事務が受けている
まず何を調べるか
1か月、受けた問い合わせを1行ずつ書き出し、「答えが1つに決まる質問」「手続き(予約・変更)」「個別の相談」に分けて数えてください。上位3つの質問で半分を超えるなら、そこだけで効果が出ます。件数が少なくても、同じ質問が9割なら効きます。
マクセラスの解釈
自動で答えるには、先に答えが要ります。
用意されていない質問に当たった瞬間に人へ回り、一度そうなると次から誰も使いません。実際に来た質問を数え、上位から答えと手順を用意するのが先です。
05まとめ
まとめと参考資料
- 店舗を倍にする計画のなか、受付を増やさずに答えの決まった質問と予約をさばく必要があった
- 質問は生成 AI、予約は手順を設計した会話で自動にし、店舗の情報をナレッジベースに整えた
- 自社では、1か月ぶんの問い合わせを種類ごとに数えるところから始める
参考資料
- Hello Sugar Customer StoryZendesk・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

