この記事で分かること
- 社内サポートの入口を1つにする前に、何を整えたのか
- 5万人に AI の窓口を広げるとき、何から試したのか
- 自社の社内問い合わせで、まず何を数えればいいか
改善の結果
25%削減
サービスデスクへの依頼(最初の1週間)
出典が示しているのは減った割合だけで、依頼の件数の前後は公表されていません。そのため前後の比較は載せていません。
自動化とセルフサービスで26,000時間
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
社員はなぜ、聞く先で迷っていたのか
Hitachi Energy は、スイスに本社を置くエネルギー技術の会社で、従業員は5万人以上です。IT のサポートは、作り込みを重ねた複雑な仕組みで回っており、作業の自動化もあまり進んでいませんでした。担当者は、それが生産性を下げ、障害の対応と解決を遅らせていたと話しています。
社員向けの入口も、IT・人事・経理で4つのサービスポータルに分かれていました。
マクセラスの解釈
聞きたいことが1つでも、社員はまずどの窓口に出すかを選ぶ必要があります。窓口の数だけ迷いと回り道が生まれ、その分がサービスデスクへの依頼として積み上がっていたと当社は見ています。
02How ─ 変えたこと
土台を標準化し、小さく試してから入口を1つに
最初に手を付けたのは土台です。作り込んだ独自の仕組みをやめ、ServiceNow の上に標準の IT サポートの手順を作り直しました。そのうえで Accenture と組み、約5万人の社員のサポート体験を変える計画を立てています。目標や優先順位は、最初から両社で一緒に決めたといいます。
次に、3か月の試行をしました。AI の検索と対話の窓口を、障害の要約や対応記録の下書きといった使い道に絞って試し、期限どおりに終えて、利用者の満足度は88%を超えました。
その結果を見て、広げました。4つのサービスポータルを IT・人事・経理の1つの社員ポータルにまとめ、5万人が AI の検索を使えるようにしています。対話の窓口は17の言語に自動で訳され、社員がふだん使う Microsoft Teams の中にも置きました。担当者は、Teams に置いたことで利用が大きく伸びたと話しています。
担当者は、うまくいった理由を3つ挙げています。AI が頼るデータを最新に保つこと。新しい仕組みを理解してもらうための周知と研修に早くから力を入れること(とくに当初は懐疑的だったサービスデスクに)。何百もの使い道に一度に手を出さず、早く価値が見える少数から広げることです。
業務の流れの前後
- 01窓口を選ぶ
- 024つのポータル
- 03デスクに依頼
- 04人が答える
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01窓口を選ぶ
- 024つのポータル
- 03デスクに依頼
- 04人が答える
AFTER
- 011つのポータル
- 02AIで検索・対話
- 03自分で解決
- 04残りをデスクへ
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 社内の記事を検索し、答えを要約して示す
- 対話の窓口で質問に答え、17の言語に自動で訳す
人に残したこと
- サービスデスク
- AI で解決しなかった依頼に対応し、より価値の高い仕事に時間を回すとしています。
03After ─ 結果
最初の1週間で依頼が25%減った
出典は、サービスデスクへの依頼が最初の1週間で25%減ったこと、自動化とセルフサービスで26,000時間を減らしたことを成果として挙げています。利用者の88%が、AI の窓口は役に立ち使いやすいと答えました。68%が調べる時間が減ったと答えています。
金額では、IT と人事で320万ドルの削減を見込み、3年間で合計770万ドルの削減を見込んでいます。
数字の出どころ
ServiceNow が公開した Hitachi Energy の導入事例による報告値です。25%は割合で、依頼が100あったとすれば75になったという意味です。何の開始から1週間か、どの施策の効果か、26,000時間が年間か累計かは書かれていません。320万ドル・770万ドルは見込みで、実績ではありません。
04自社への応用
自社の社内問い合わせにも、同じ迷いはないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、入口を1つにする前に土台を標準化し、小さく試して効果を確かめてから広げたことです。社内の問い合わせ先が分かれている会社は多くあります。
- 管理部門が分かれた会社
- 総務・人事・情シスで問い合わせ先が別々になっている
- 複数拠点
- 拠点ごとに聞く相手が違い、本部の誰に出すか分からない
- 現場を持つ会社
- システムの相談と設備の相談で窓口が別になっている
- 小規模の会社
- 10人の会社でも、詳しい人に質問が全部集まっている
まず何を調べるか
まず2週間、社内の問い合わせを受けた人に、件数と「最初に別の窓口へ行ってから回ってきたか」を記録してもらってください。回ってきた依頼が多ければ、入口を1つにするだけで減らせます。同じ質問が何度も来ているなら、答えを記事にして自分で調べられる形にする候補です。
あなたの会社なら、何時間か
聞く人と答える人の両方が止まります。両方を人数に入れてください。
マクセラスの解釈
窓口の数だけ、迷う機会があります。
社員は正しい窓口を知らないので、まず考え、間違えれば回されて待ちます。私たちも、AI を入れる前に入口を1つにできないか、答えが記事になっているかを先に見ます。
05まとめ
まとめと参考資料
- IT・人事・経理で4つに分かれた入口と、作り込んだ複雑な仕組みが社内サポートを遅らせていた
- 土台を標準化し、3か月の試行で確かめてから、1つのポータルと Teams に AI の窓口を広げた
- 自社では、問い合わせが別の窓口から回ってきた件数を2週間記録するところから始める
参考資料
- Hitachi Energy Customer StoryServiceNow・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

