この記事で分かること
- 3人のITチームで、なぜ問い合わせが回らなくなっていたのか
- 受付から担当決めまでを、どんな順番で仕組みにしたのか
- 自社の問い合わせで、まず何を書き出して数えるか
改善の結果
月616時間削減
ITサポートの問い合わせ対応
出典が公表しているのは、ITサポートで減った月あたりの時間です。対応にかかっていた時間の前後は示されていないため、前後の比較は載せていません。
問い合わせの27.5%が自動で解決
出典:Zapier「How Remote saves $500K and automates 11M tasks with Zapier」↗
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
3人のITチームに、問い合わせはどう届いていたか
Remote は、海外に散らばるチームの採用や給与、法令対応を企業に代わって引き受ける人事サービスの会社です。従業員が1,800人まで増えるなかで、社内の仕組みが追いつかなくなり、とくに IT サポートが詰まりました。
IT の問い合わせは、社員が Slack に書き込むだけで、正式に記録する仕組みがありませんでした。誰が対応しているのか分からず、取りこぼされる問い合わせが出ていました。直近の1か月で届いた問い合わせは1,100件近くあり、受けていたのは3人のチームです。
02How ─ 変えたこと
受付から担当決めまでを、1本の流れにした
IT の責任者が Zapier と AI で窓口を作り直しました。社員は Slack・メール・チャットボットのどこからでも依頼でき、届いた依頼には Okta から部署と役職の情報が自動で付きます。優先度と分類を決めるのは ChatGPT です。
依頼は Notion に1件ずつの記録として自動で作られ、IT はそこで状況を更新します。同じ内容は Zapier Tables にもためて、過去の問い合わせの知識として使います。
次の段で、Zapier Agents が過去の問い合わせをもとに解決策の案を作り、依頼した社員には記録へのリンクと、出せるときは解決策の案が Slack で届きます。担当は、IT の担当者が Slack で絵文字を付けると Notion の担当欄が書き換わる形で決めます。
これを見たほかの部署からも依頼が来て、同社は自動化を作る専任の職種とチームを新設しています。
マクセラスの解釈
要は、AI に答えさせる前に、取りこぼしていた依頼を「必ず記録が残る1本の流れ」に乗せたことです。そのうえで、過去の記録から案を出す段を足したので、自動で片づく問い合わせが生まれたと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01Slackに書き込む
- 02記録が残らない
- 03取りこぼす
- 04人が拾って答える
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01Slackに書き込む
- 02記録が残らない
- 03取りこぼす
- 04人が拾って答える
AFTER
- 01窓口を1本にする
- 02自動で分類・記録
- 03過去から解決案
- 04残りを人が担当
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 依頼の受付と、部署・役職の情報付け
- 優先度と分類の判定(ChatGPT)
- 記録の作成と、過去の問い合わせからの解決案
- 依頼した社員への通知
人に残したこと
- 担当を引き受ける
- IT の担当者が Slack で絵文字を付けて、自分の担当にします。
- 残りの問い合わせ
- 自動で閉じなかった問い合わせは、IT チームが対応します。
03After ─ 結果
問い合わせの27.5%が、人を通らずに閉じた
IT の問い合わせのうち27.5%が自動で閉じるようになり、IT サポートだけで月616時間が減りました。担当者は「3人のチームなら圧倒される量だが、自動化で10人のチームのように動けている」と話しています。
共同創業者は「自動化がなければ、少なくとも今の倍の人数が必要だった」と述べています。
- 体制
- IT 3人 / 従業員 1,800人
- 1か月の問い合わせ
- 1,100件近く
数字の出どころ
Zapier が公開した Remote の報告値です(2025年4月公開)。月616時間は IT サポートについての数字です。同社は2024年に全社で1,100万件のタスクを自動化し、IT チームの採用コストで50万ドルを回避したとも述べています。1,100万件は IT サポート以外を含む全社の値です。
出典:Zapier「How Remote saves $500K and automates 11M tasks with Zapier」↗
04自社への応用
自社の問い合わせにも、取りこぼしはないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
情シス専任がいない会社ほど、この形は深刻です。チャットで頼まれた依頼は記録が残らず、詳しい人1人に集中し、その人が休むと止まります。
- 総務・情シス兼任
- PCの設定やパスワードの相談が、本来の仕事の合間にチャットで入る
- 経理
- 「この経費は落ちますか」を毎月同じ人が聞かれる
- 現場のベテラン
- 作業手順を口頭で聞かれる。手が止まる
- 営業事務
- 在庫と納期の問い合わせが電話で来る。都度調べて折り返す
まず何を調べるか
1か月、受けた問い合わせを1行ずつ書き出し、同じ質問がいくつあるかを数えてください。減らす順番は、①聞かなくても分かる ②自分で調べられる ③自動で片づく、の3つです。答えを用意する前に③へ進むと、答えのない質問に機械が返し、使われなくなります。
あなたの会社なら、何時間か
聞いた人の待ち時間も足すのがポイントです。1か月、何を聞かれたかだけ記録してみてください。
マクセラスの解釈
問い合わせは、人を増やしても減りません。
減らすなら、まず全部の依頼を1か所に記録し、同じ質問がいくつあるかを数えるのが先です。数えた上位から答えを用意すれば、自動で片づく分が見えてきます。
05まとめ
まとめと参考資料
- IT の依頼は Slack に書き込むだけで記録が残らず、3人のチームで取りこぼしが出ていた
- 窓口を1本にし、分類・記録・解決案の作成までを自動化して、担当決めだけを人に残した
- 自社では、1か月ぶんの問い合わせを書き出し、同じ質問の数を数えるところから始める
参考資料
- How Remote saves $500K and automates 11M tasks with ZapierZapier・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

