この記事で分かること
- 以前の AI の試行が、社内で使われなかった理由
- 3週間で本番にしたあと、前向きな人にも懐疑的な人にもどう広げたのか
- 自社で AI を配る前に、まず何を書き出せばいいか
改善の結果
2,500時間超削減
3か月の試行で減った作業時間
出典が公表しているのは3か月間の削減量だけで、作業時間の前後は示されていません。1回の回答あたり何分という算出根拠も公表されていません。
3か月・222名・31,778件の回答
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
以前の AI は、なぜ社内で使われなかったのか
FletcherTech は、ニュージーランドの Fletcher Building の技術部門で、オーストラリア・ニュージーランド・南太平洋にある30を超える事業の IT を担っています。AI を日々の仕事に組み込むことを目指していました。
ただ、それまでの試行はうまくいきませんでした。使いやすく、しかも社内の情報源と深くつながった AI が必要でしたが、それを満たせなかったからです。社員の受け止め方も、新しいものに飛びつく人から疑ってかかる人まで幅がありました。
マクセラスの解釈
社内のことを聞いて答えが返らなければ、一度試した人は二度目から使いません。つながりの浅さと、受け止め方の幅の両方が、広がらない理由だったと当社は見ています。
02How ─ 変えたこと
情報源につないで3週間で本番、広げ方は別に設計した
技術の土台では、Gemini Enterprise を選びました。決め手は、Google Cloud の管理画面での設定と管理のしやすさです。社内のデータにつなぐ設定が簡単だったため、主なデータの大半とつないだ状態で、3週間で本番に移しています。つないだのは Jira、ServiceNow、SharePoint といった、IT チームが毎日使う仕組みです。
人への広げ方は、技術とは別に設計しました。設計の責任者と変革の担当者が率い、「刺激」「教育」「新しい工夫」の3本柱を立てています。全体の説明会、管理職への説明、毎週の飛び入りのデモ、社員ポータルでのお知らせと、伝える経路を重ねました。
使い方を競う社内コンテストも開き、「最優秀のエージェント」「時間の節約」といった部門を設けました。優勝したのは、品質テストを自動で行い、開発者に改善点を助言する2つの AI エージェントです。
マクセラスの解釈
道具を配って終わりにせず、社内の情報源につなぐことと、懐疑的な人にも価値を見せる場を作ることを並べて進めた事例です。後者がなければ、3週間で本番にしても使われ続けなかったと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01AIを試す
- 02社内とつながらない
- 03答えが返らない
- 04使われなくなる
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01AIを試す
- 02社内とつながらない
- 03答えが返らない
- 04使われなくなる
AFTER
- 01情報源につなぐ
- 023週間で本番
- 03説明会とデモ
- 04社内コンテスト
- 05日々の仕事で使う
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- Jira・ServiceNow・SharePoint などの情報源をもとに答える
- データの中から、平文の鍵や給与などの機密を見つける
人に残したこと
- 使い方を広げる
- 説明会やデモ、社内コンテストで使い道を見せ合います。
- データを直す
- 見つかった機密は、チームが情報源の側で直します。
03After ─ 結果
3か月で2,500時間超。使い道は開発から分析まで広がった
3か月の試行で、222名の社員に31,778件の回答を返し、2,500時間を超える作業時間を減らしました。社員はコードを書くことから戦略の分析まで、日々の仕事に組み込んで使っています。新しい戦略を社内の前提に照らして確かめたり、「社内のデータをもとに、この障害の直し方を順に教えて」と聞いて IT の問題を解いたりしています。
データの点検にも使っています。社内のデータの中に、平文の鍵や給与、個人の情報が紛れていないかを洗い出し、見つかったものをすぐに直しています。
- 本番稼働まで
- 3週間
数字の出どころ
Google Cloud が公開した FletcherTech の導入事例による数値です。3か月の試行期間の結果として示されており、回答1件あたりの削減時間など算出の根拠は公表されていません。特定の業務に限った数値ではありません。
04自社への応用
自社の AI の導入にも、同じつまずきはないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、AI を社内の情報源につなぐことと、受け止め方の違う社員に使い道を見せることを、同時に進めたことです。
- 全社導入を検討中
- 試したが使われず、契約だけが残っている
- 情シス
- 社内文書とつなぐ方法が分からず、汎用のまま配っている
- 現場を持つ会社
- 現場の手順を聞かれても、AI が答えられない
- 多拠点
- 拠点ごとにルールが違い、汎用の答えが役に立たない
まず何を調べるか
まず、社員がよく調べる・聞くことを20件ほど書き出し、それぞれの答えがどこ(課題管理・社内ポータル・共有フォルダなど)にあるかを並べてください。答えのある場所が数か所に集まっていれば、そこが AI に最初につなぐ先です。全社に配る前に、限られた人数で試して反応を見る段階も置きます。
あなたの会社なら、何時間か
調べものや資料づくりに使っている時間で計算してください。
マクセラスの解釈
社内のことを知らないAIは、使われません。
社内の手順やルールを聞いて答えられないと、1度がっかりした人は2回目から使いません。私たちも導入の相談では、「最初に何につなぐか」を決めてから始めます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 以前の AI の試行は社内の情報源とのつながりが浅く、社員の受け止め方にも幅があった
- 主な情報源につないで3週間で本番にし、説明会・デモ・社内コンテストで使い道を広げた
- 自社では、よく調べることと、その答えがある場所を20件ほど書き出す
参考資料
- FletcherTech 導入事例Google Cloud・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

