この記事で分かること
- バックオフィスの手作業は、どこにどれだけ散らばっていたのか
- 1人の担当者の自動化が、全社の取り組みに広がった順番
- 自社で始めるなら、まず何を書き出して数えるか
改善の結果
1万時間削減
バックオフィスの手作業にかかっていた時間
出典が公表しているのは削減量だけで、作業時間の前後は示されていません。出典は「昨年」1年間の値として示しており(事例の公開は2024年4月)、同社の申告値です。毎年この量が減り続けるという意味ではありません。
全社で127個の自動化が稼働
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
バックオフィスの手作業は、どこに散らばっていたか
Fonds Finanz はドイツで保険の仲介業者を束ねるプラットフォームを運営する会社で、1996年から買収も重ねて大きくなりました。2023年に発表した前年の年間売上は、13%増の2億5,430万ユーロです。
顧客の情報は、顧客対応の Salesforce、仲介業者向けの2つの仕組み、支払いの SAP と、少なくとも4つのシステムに分かれ、連携の口がないものは回り道でつないでいました。保険の申込書は、社員が契約者・保険料・被保険者などを1件ずつ抜き出して確かめており、本社では事務の担当チームがこの処理に追われていました。
02How ─ 変えたこと
1人の小さな自動化から、全社で作る体制へ
始まりは2021年、マーケティングの担当者が Facebook の見込み客を顧客管理に入れたいと考えたことでした。開発者に作ってもらう方法は遅かったため、ノーコードの Make で自分で組んでいます。続けて自社サイトの見込み客も取り込みました。
評判が広がり、営業から新規顧客の受け入れを頼まれ、申込書の処理にも広がりました。申込書の届いたメールを Salesforce から取り出し、文書を読み取る AI に渡して契約の情報を抜き出します。分かれたシステム同士のデータも、Make でつないでそろえています。
会社は自動化の専任チームを作り、2人から4人に増やしました。目標は、各部門の社員が自分で作れるようにすることです。週1回、約15人が集まって「いま一番大きい手作業は何か、どう自動にするか」を話し合うワークショップを開き、まず大規模言語モデルに顧客のメールを読ませる方法から教えました。各部門には専任のパワーユーザーも置きました。
マクセラスの解釈
大きな仕組みを1つ作るのではなく、身近な手作業を1つずつ自動にし、作れる人を部門ごとに増やしたことが、自動化の数の多さにつながったと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 014つのシステム
- 02手で写してつなぐ
- 03申込書を人が読む
- 04人が抜き出し確認
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 014つのシステム
- 02手で写してつなぐ
- 03申込書を人が読む
- 04人が抜き出し確認
AFTER
- 01手作業を挙げる
- 02部門で自動化を作る
- 03AIが抜き出す
- 04システムを同期
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 見込み客の顧客管理への取り込み
- 申込書からの契約情報の抜き出し(文書を読み取る AI)
- 分かれたシステム間のデータの同期
人に残したこと
- 手作業を挙げる
- 週1回のワークショップで、約15人がいま一番大きい手作業と自動化の方法を話し合います。
- 部門で作る
- 各部門のパワーユーザーと社員が、自分たちで自動化を組みます。
03After ─ 結果
1年で1万時間、127個の自動化が動く
AI チームの責任者は、「昨年、Make の仕組みによって、社員が手作業でしていたバックオフィスの仕事が1万時間減った」と述べています。現在は全社で127個の仕組みが動いています。
- 体制
- 自動化チーム2名 → 4名/週次ワークショップに約15名
数字の出どころ
Make が公開した Fonds Finanz の事例による数値です(2024年4月公開)。1万時間は同社の申告値で、算定方法は公表されていません。「昨年」は事例の公開時点から見た前年を指します。
04自社への応用
自社にも、細かい手作業は散らばっていないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
バックオフィスの時間は1か所に溜まっていないので、大きな1手では減りません。この事例の要は、小さな自動化を作れる人を増やしたことです。
- 保険・金融
- 申込書の内容を人が読んでシステムへ入れている
- 複数システムを使う会社
- 同じ顧客の情報が別々の場所に登録されている
- 総務
- 紙の処理が少しずつ、あちこちに残っている
- 営業事務
- 問い合わせメールを読んで担当へ回している
まず何を調べるか
1週間、細かい手作業を「何を・何回・1回何分」で書き出してください。1つが5分でも、種類と回数を掛けると無視できない量になります。上位のものから1つずつ自動にし、作れる人を部門に1人ずつ置くと、数が増えていきます。
あなたの会社なら、何時間か
1つの作業ではなく、細かい手作業を合わせた時間で入れてください。
マクセラスの解釈
自動化の数は、作れる人の数で決まります。
専門のチームに依頼を集めても、作る人が1人のままなら数は増えません。小さいものを積むほうが、失敗しても影響が小さく済みます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 顧客の情報が4つ以上のシステムに分かれ、申込書の処理も人が1件ずつ抜き出していた
- 1人の小さな自動化から始め、専任チームとワークショップで作れる人を部門ごとに増やした
- 自社では、細かい手作業を1週間書き出し、回数と時間を掛けるところから始める
参考資料
- Fonds Finanz Success StoryMake・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

