この記事で分かること
- 600チーム分の月次資料は、どれだけ人を食っていたのか
- Sweco が試行を省いて、まず何をそろえたのか
- 自社で自動化の候補を、どう並べればいいか
改善の結果
累計15万時間削減
定型業務にかかっていた時間
出典が公表しているのは累計の削減量だけで、作業時間の前後は示されていません。約2年半で150のプロセスを自動化した合計です。年間の数値ではありません。
150プロセス・400の手作業を洗い出し
出典:UiPath「Sweco goes from finance automation to robo-botanists」↗
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
600チーム分の月次資料は、どれだけ重かったのか
Sweco は欧州の建築・エンジニアリングのコンサルティング会社で、18,500人が働き、年に10万件の案件を扱っています。創業から130年を超えます。
600のチームが、それぞれ月の実績を25ページの PowerPoint にまとめていました。1チーム分を集めるのに丸1日。合わせると月2,500時間を超える手作業です。
人事でも、新しく入る社員の情報を、担当者が受信箱で確かめては人事システムに手で入れていました。専門性の高い建築家や技術者が、関わる必要の薄い作業に時間を取られていることも課題でした。
02How ─ 変えたこと
試行を省き、作れる体制を先に整えた
2020年2月に AI・自動化の責任者として加わったデヴィッド・ハンター氏は、経営陣に「RPA を試行する必要はない」と説明しました。最初の1か月で、クラウドの UiPath と専任の開発者をそろえ、数百の自動化を支えられる推進の拠点(CoE)を作っています。
最初の自動化は人事の入社手続きで、今はロボットが1時間ごとに受信箱を確かめて入力しています。そこから財務、IT、法務、事業部門へと広げ、50を超える業務システムにまたがる処理を自動にしました。
候補は社員から集めます。社内のイントラや動画、ワークショップで考え方を伝えてから案を募り、400件を超える提案が集まりました。簡単さ・安定性・見込める効果の基準で選び、評価は7分半で済ませます。
当初は、ロボットがほかのシステムとどう関わるか、長く安定して動くかを警戒する声もありました。事故なく動いた実績を重ね、今では重要な処理を任される存在です。
マクセラスの解釈
社員に自動化を作らせず、業務を聞き取れる開発者を拠点に集めて、社員には案を出してもらう分担にしたことが速さの理由だと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01600チームが作る
- 02データを集める
- 03資料にまとめる
- 041件に丸1日
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01600チームが作る
- 02データを集める
- 03資料にまとめる
- 041件に丸1日
AFTER
- 01ロボットが集める
- 02全チーム分を1日で
- 03社員は案件の仕事へ
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 月次の財務報告の作成
- 600チーム分の月次実績の資料づくり
- 入社手続きの人事システムへの入力
人に残したこと
- 顧客の案件
- 繰り返しの作業をロボットに渡し、社員は顧客の案件に集中する、とハンター氏は話しています。
- 自動化の案出し
- 業務を知る社員が、自動にしたい作業の候補を出します。
03After ─ 結果
2.5年で150のプロセス、15万時間
2.5年で150のプロセスを自動化し、15万時間を減らしました。600チーム分の月次資料は、月2,500時間を超えていた手作業が、全チーム分で1日に縮まっています。このロボットは開発に80時間で、年3万時間に相当する働きをするとハンター氏は述べています。
毎朝8時までの報告書のために6時に起きていた社員は、作業が自動になって生活が変わったといいます。
数字の出どころ
UiPath が公開した Sweco の導入事例による数値です。15万時間は2.5年間の累計で、年間の数値ではありません。年3万時間は、月次資料を作るロボット1体の働きを時間に換算した値で、削減の実績値ではありません。出典に公開日はなく、取材は2022年頃と当社は見ています。
出典:UiPath「Sweco goes from finance automation to robo-botanists」↗
04自社への応用
自社の定型資料にも、同じ掛け算はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、1件の時間と作る数の掛け算が大きい仕事から手を付け、試行より作れる体制づくりを先にしたことです。同じ形の資料を部署の数だけ作る会社には、同じ形があります。
- 多部署の会社
- 同じ様式の月次資料を、部署ごとに人が作っている
- 拠点が多い会社
- 拠点別の実績表を、本部が人手でまとめている
- プロジェクト型
- 案件ごとに同じ形の報告書を作り直している
- 経営企画
- 毎月同じ資料を、数字だけ差し替えて作っている
まず何を調べるか
まず社内から自動化したい作業を募り、「1件あたりの時間 × 月に作る数」で並べてください。1件が長いものより、数が多いもののほうが積み上がります。社内に不安があるなら、説得より、件数の少ない業務を1つ動かして見せるほうが早く進みます。
あなたの会社なら、何時間か
同じ形のものを何件作っているかを、件数欄に入れてください。
マクセラスの解釈
最初の不信は、数字が出るまで消えない。
説明で消える種類のものではないので、小さく動かして見せるしかありません。私たちも、最初は件数の少ない業務から始めることを勧めます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 600チームが毎月25ページの資料を1件丸1日かけて作るなど、手作業が専門職の時間を奪っていた
- 試行を省いて開発者と拠点を先にそろえ、社員の案を基準で選んで素早く自動にしていった
- 自社では、自動化したい作業を募り「1件の時間 × 作る数」で並べるところから始める
参考資料
- Sweco goes from finance automation to robo-botanistsUiPath・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

