この記事で分かること
- 大勢が関わる制作で、時間は作業と作業のどこに消えていたのか
- 提出から拡散まで、どの受け渡しを自動にしたのか
- 自社の制作の流れで、まず何を数えればいいか
改善の結果
年 約14,976時間削減
コンテンツ制作の進行にかかっていた時間
出典はこの数値を「約」付きの年換算値として示しています。作業時間の前後は公表されていません。対象はリサーチ部門のコンテンツ制作の流れに限られ、調査分析の業務そのものではありません。
約300人が関わる制作の流れが対象
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
大勢が関わる制作で、時間はどこに消えたか
Morningstar は投資のリサーチと金融情報を手がける会社で、29か国に11,000人以上が在籍しています。
リサーチ部門では、社内向けのリサーチコンテンツを古い仕組みで管理していました。制作の流れは途中で切れていて、道具と道具の間を人が手作業で調整していました。更新はメールやチャットで回っていたため伝わるのが遅れ、有料・獲得・自社の各メディアで広める機会を逃すこともありました。
マクセラスの解釈
関わる人数が多いほど、作る作業そのものより「いま誰が何を持っているか」を確かめる連絡が増えます。時間が消えていたのは工程と工程の間だったと当社は見ています。
02How ─ 変えたこと
古い仕組みをやめ、提出から拡散までを1本に
同社は古い仕組みを廃止し、Asana の上にリサーチコンテンツの制作の流れを1本で作り直しました。リサーチ・編集・校閲・メディア・マーケティングの関係者が、同じ場所で全体の状況を見ながら進めます。
入口は、決まった形式の提出フォームです。提出されると作業が自動で作られ、AI がフォームの中身を読んで、関係者の割り当てと校閲の期日を決め、足りない情報に印を付けます。情報が足りなければ、作成者への確認のコメントや作業も自動で作ります。
原稿が「準備完了」になると、校閲者への次の作業が自動で始まり、完了・差し戻し・準備完了のたびに関係者へ知らせが届きます。公開日などの節目も通知されるので、人が追いかけて確認する必要がありません。完成が近づくと、作業はマーケティングとメディアの担当のボードへ自動で回され、広める準備に入ります。
マクセラスの解釈
作業を速くしたのではなく、人が手で埋めていた「次の人へ渡す」「足りない情報を聞く」「状況を知らせる」をまとめて仕組みに移した事例だと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01工程が途中で切れる
- 02人が手でつなぐ
- 03メールで更新を回す
- 04広める機会を逃す
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01工程が途中で切れる
- 02人が手でつなぐ
- 03メールで更新を回す
- 04広める機会を逃す
AFTER
- 01フォームで提出
- 02AIが担当と期日
- 03自動で次へ渡る
- 04人が書き・直す
- 05拡散担当へ回る
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 提出内容の読み取りと、担当・期日の設定、不足情報の指摘
- 次の担当への受け渡しと、節目ごとの通知
- 完成間近の作業のマーケティング・メディアへの振り分け
人に残したこと
- 書く・直す
- 作成者が原稿を書き、校閲者が編集します。足りない情報は作成者が補います。
03After ─ 結果
制作の流れで、年約14,976時間が減った
制作の流れを1本にした結果、リサーチ部門のコンテンツ制作で年間約14,976時間と60万ドルが減ったとされています。事例の別の箇所では「年間約15,000時間」とも書かれています。
最高情報責任者は、部門をまたいだ協力の壁を取り除けたと述べています。
- 別部門の例
- 依頼確認の期間から2週間を削減
数字の出どころ
Asana が公開した Morningstar の導入事例による数値です。約14,976時間と60万ドルはリサーチ部門のコンテンツ制作の流れについての年換算値で、実測の合計ではありません。同事例には他部門の数値も併記されていますが、対象が異なるため合算できません。
04自社への応用
自社の制作にも、つなぎ目の手間はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
工程をまたぐ仕事は、人数が増えるほど「渡す」時間が増えます。この事例の要は、受け渡しと知らせを人の手から外したことです。
- 制作・編集
- 原稿・校正・デザインの間を、担当がメールでつないでいる
- 設計・製造
- 設計から製造への引き渡しで、確認のやり取りが発生する
- 営業と管理
- 受注から手配までの間に、人が状況を聞いて回っている
- 採用
- 書類選考から面接設定までの連絡が手作業
まず何を調べるか
1件の制作物が完成するまでに、何人の手を渡り、何回「いまどうなっていますか」の連絡が出たかを、1か月ぶん数えてください。人数より「つなぎ目の数」が大事で、3人でも間が3か所切れていれば同じことが起きます。まず、提出の形式をそろえるところから始めると次の自動化がしやすくなります。
あなたの会社なら、何時間か
作業そのものではなく、次の人へ渡すまでの確認時間で入れてください。
マクセラスの解釈
工程が多い仕事では、つなぎ目が仕事量を決めます。
作業自体を1割速くしても、つなぎ目が5か所あればそこで待ちが生まれます。切れている場所を1つ塞ぐほうが効きます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 古い仕組みと切れた工程のため、約300人の関係者の間を人が手作業でつなぎ、更新も遅れていた
- 提出フォームを入口に、担当決め・受け渡し・通知・拡散への振り分けまでを自動にした
- 自社では、1件が完成するまでの受け渡しと確認の連絡の回数を数えるところから始める
参考資料
- Morningstar Case StudyAsana・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

