この記事で分かること
- 契約書が散らばると、時間のほかに何を失うのか
- Flowserve が契約をどこに置き、何を自動で見せたのか
- 自社の契約管理で、まず何を一覧にすればいいか
改善の結果
年4,500時間超削減
契約の件数を表計算で追いかける時間
出典が公表しているのは削減量だけで、作業時間の前後は示されていません。またこの数値は「レポートとダッシュボードで管理を自動化したこと」による削減で、契約業務全体のものではありません。
50か国以上・2,000人以上が利用
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
契約書が見つからないと、何が起きていたのか
Flowserve は、ポンプやバルブ、シールなど、インフラ向けの流体制御の機器を作るメーカーです。
長いあいだ、契約書はメールや書類箱に埋もれていました。法務のプロジェクトマネジャー、ダンディ・トンプソン氏は、最大の問題は契約書がなくなることで、どの契約が有効で、どこで、いつまでなのかを知る必要があったと話しています。
件数の管理は表計算の手作業でした。期限の切れた契約のまま仕事が進み、意図せず古い価格で売ってしまうこともあり、利益率を削っていました。件数の多い他社の契約書のレビューも、遅い手作業でした。
02How ─ 変えたこと
営業の画面に契約を置き、件数と期限を自動で見せた
法務は何年も契約管理の仕組みを探していました。決め手は、修正のやり取りと透明性、責任の所在を満たせることと、Salesforce とそのままつながることです。営業担当者が最もよく使う人になるため、営業は普段の CRM の中で契約を扱い、法務は必要な状態を見られる形にしました。
締結した契約は両方のシステムに自動で同期され、地域をまたいでも版の取り違えが起きません。閲覧の権限は Salesforce の設定を引き継ぎ、社外秘の価格は見るべき人にだけ見えます。
表計算での件数管理は、Power BI のダッシュボードに置き換えました。期限が見え、通知も届くので、切れる前に条件を交渉し直せます。他社の契約書のレビューには AI を使い始め、社内の基準とのずれに印を付けて修正案を出させています。
マクセラスの解釈
変えたのは契約を1か所に集めたことだけでなく、その場所を営業が毎日使う画面の中にしたことだと当社は読んでいます。入れる場所が普段の仕事の外にあると、契約はまた散らばります。
業務の流れの前後
- 01メールや箱に埋もれる
- 02表計算で件数を管理
- 03期限切れに気づかない
- 04古い価格で販売
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01メールや箱に埋もれる
- 02表計算で件数を管理
- 03期限切れに気づかない
- 04古い価格で販売
AFTER
- 01CRMで契約を扱う
- 02両システムに同期
- 03画面で件数を把握
- 04期限前に通知
- 05法務が条件を見直す
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 件数と状況の集計(レポートとダッシュボード)
- 期限の通知
- 締結した契約の、両システムへの同期
- 他社の契約書と社内基準の比較・修正案(AI)
人に残したこと
- 条件の見直し
- 期限が近い契約は、切れる前に条件を交渉し直します。
- 契約書のレビュー
- AIの指摘や修正案を手がかりに、法務の担当者が文面を確かめます。
03After ─ 結果
件数管理だけで年4,500時間超が浮いた
トンプソン氏は、レポートとダッシュボードで件数管理を自動にしただけで、年4,500時間を超える時間が浮いていると話しています。レビュー担当や管理者、その上長が、業務量と状況をすぐ確かめられるようになりました。
契約の件数が増えても、AI のレビュー支援があるので人員を増やさずに済むと同氏は見込んでいます。
その先に起きたこと
利益率30%増
Docusign が公開した Flowserve の報告値です。古い価格のまま売ることがあった点も書かれていますが、30%の伸びがその解消だけによるものかは示されていません。
数字の出どころ
Docusign が公開した Flowserve の導入事例による数値です。年4,500時間超は、契約業務全体ではなく、レポートとダッシュボードで件数管理を自動化した分として示されています。利用者2,000人以上・50か国以上も同事例によります。
04自社への応用
自社の契約管理にも、同じ形はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、探す時間より「期限が見えない」ことの損失に目を向け、営業が毎日使う画面の中に契約を置いたことです。置き場所が決まっていない会社は、期限も見落としています。
- 製造・卸
- 取引条件の契約が更新されないまま、旧価格で出荷している
- 不動産・管理
- 更新時期を担当者が個別に覚えている
- IT・サービス
- 解約通知の期限を過ぎて自動更新されている
- 士業
- 顧問契約の改定時期を一覧で持っていない
まず何を調べるか
まず、今月と来月に更新や期限を迎える契約を一覧にしてみてください。すぐに出せなければ、置き場所はあっても期限が見えていない状態です。期限を見落として古い条件のまま続いた取引がないか、担当者が変わっても同じ一覧を出せるかも確かめます。
あなたの会社なら、何時間か
契約を探した回数と、期限を確認した回数を合わせて数えてください。
マクセラスの解釈
探せないことの損失は、探す時間だけではない。
期限を見落とせば、古い条件のまま取引が続きます。私たちも書類の管理を相談されたら、まず「見落として損をしたことがあるか」を聞きます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 契約書がメールや書類箱に埋もれ、期限切れのまま古い価格で売ることもあった
- 営業が使う CRM の中で契約を扱い、件数と期限をダッシュボードと通知で見える形にした
- 自社では、今月と来月に期限を迎える契約を一覧にできるかを試すところから始める
参考資料
- Flowserve Customer StoryDocusign・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

