この記事で分かること
- 依頼の対応が遅いと、なぜ中央の仕組みが崩れるのか
- 担当者がコードを書かずに、何と何をつないだのか
- 自社の社内依頼で、まず何を並べて測るか
改善前 → 改善後
3日
キャンペーン依頼の対応(平均)
10秒
自動化したあとの対応(平均)
法務関連では年500時間超の削減
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
なぜ依頼の速さが、仕組みの存続を左右したのか
Pure Storage は、4年で従業員が900人から4,000人超に増えた会社です。人が増えるほど売上の目標が上がり、走らせるマーケティングのキャンペーンも増えていきました。
キャンペーン運用の責任者ジョシュア・チェン氏は、世界中のキャンペーンづくりを中央に集めようとしていました。作業は外部の代理店が手伝っていましたが、代理店の管理や、人の間違いを直すための確認に多くの時間がかかり、依頼が片づくまで日数がかかっていました。
同氏が心配したのは、遅いままだと各国のマーケターが中央の手順を通さず、自分で作ってから助けを求めるようになることでした。そうなれば、かえって遅れが増えます。
02How ─ 変えたこと
人がやらなくてよい手順を、受付から自動にした
キャンペーンの立ち上げには、人がやる必要のない手作業の繰り返しが多くありました。チェン氏は、そこを自動にすることが規模を広げる唯一の方法だと考えました。
仕組みを選ぶ条件は2つです。すべてのキャンペーンを作っている Marketo と深くつながること、そして自分でコードを書かずに管理できること。技術寄りの製品はここで外れ、Workato を選んでいます。
依頼の受付に使う Zendesk と Marketo をつなぎ、依頼を出すと設定の手順が自動で進む形にしました。同じ仕組みは他部署にも広がり、法務からは、景品や特典を約束するイベントに必要な利用規約づくりの自動化を頼まれています。
マクセラスの解釈
人を増やして待ちを2日に縮めるのではなく、待ちそのものをなくす方向を選んだ点が要です。1日短くしても迂回は止まりませんが、その場で終わるなら迂回する理由がなくなる、と当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01依頼を出す
- 02代理店が作る
- 03人が確認・修正
- 04完了を待つ
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01依頼を出す
- 02代理店が作る
- 03人が確認・修正
- 04完了を待つ
AFTER
- 01依頼を出す
- 02設定が自動で進む
- 03完了
- 04複雑な案件は代理店
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- Zendesk で受けた依頼に沿ったキャンペーンの設定
- 法務の、イベント用の利用規約づくり
人に残したこと
- 複雑な案件
- 代理店は、より価値の高い複雑な仕事に回せるとしています。
03After ─ 結果
依頼は平均3日から10秒に。作成の間違いもなくなった
Zendesk と Marketo をつないだ自動化で、キャンペーン依頼の対応にかかる時間は平均3日から10秒になりました。依頼した人たちは「3日待っていたのが10秒で終わる」ことに驚いているとチェン氏は話しています。キャンペーン作成での間違いもなくなりました。
中央の仕組みを使うマーケターは増え、1年目の終わりまでに完了する依頼は10,000件を超え、その約70%が何らかの形で自動化される見込みです。法務では、年500時間を超える時間が削減されました。
- 規模
- 従業員4,200人以上
数字の出どころ
Workato が公開した Pure Storage の導入事例による数値です。冒頭の待ち時間は、依頼から完了までの平均です。同事例には30万〜40万ドルの代理店費用の削減見込みや、年間10,000件超のうち約70%を自動化する見通しも記載されていますが、いずれも見込みであり実績ではありません。
数字についての問い
- 10秒で片づくのは、すべての依頼ですか?
- 出典は平均の時間として示しています。1年目の依頼のうち自動化されるのは約70%の見込みで、残りがどう処理されるかは書かれていません。
04自社への応用
自社の社内依頼にも、同じ形はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、中央の手順が遅いと迂回されると見て、待ち時間そのものをなくしたことです。社内の手続きが遅い会社では、現場が必ず抜け道を探します。
- 情シス
- アカウント発行に数日かかる。現場が個人アカウントで代用する
- 購買
- 発注申請が通らないので、担当が立て替えて買う
- 広報・マーケ
- 素材の申請が遅く、現場が独自に作って使う
- 人事
- 採用の承認に時間がかかり、候補者が辞退する
まず何を調べるか
まず1か月、社内の依頼を「出した日」と「片づいた日」で並べ、差を測ってください。正規の手順を通さずに済ませた件数も数えます。迂回が多いなら、ルールを厳しくする前に速さを見直すときです。判断の要る依頼は人に残し、中身の決まった依頼から自動にします。
あなたの会社なら、何時間か
処理そのものの時間ではなく、依頼してから終わるまでの待ち時間で入れてください。
マクセラスの解釈
遅い仕組みは、守られないのではなく迂回される。
その場で終わるところまで縮めて、初めて迂回する理由がなくなります。私たちも、社内ルールが守られていないときは「処理に何日かかっているか」から見ます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 依頼の対応が遅いままだと、各国の担当者が中央の手順を迂回すると考えた
- 受付の Zendesk と、キャンペーンを作る Marketo をつなぎ、人の要らない手順を自動にした
- 自社では、社内依頼の「出した日」と「片づいた日」の差を1か月測るところから始める
参考資料
- Pure Storage Customer StoryWorkato・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

