この記事で分かること
- 買収で人が増えるとき、入社と退職の手続きで何が詰まったのか
- 人を増やさずに対応するため、自動化の基盤に何を求めたのか
- 自社の入退社の手続きで、まず何を測ればいいか
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
入社した人は、なぜ初日に働けなかったのか
Broadcom は、半導体とインフラ向けソフトウェアを手がける米国の会社です(従業員21,000人以上)。社内の IT サービスを率いる担当者は、控えていた買収で社員が一気に増え、メールアドレスの割り当てや VPN の設定といった入社の作業が大量に出ると見込んでいました。
当時の仕組みでは入社の手続きに手間がかかり、新しい社員は初日から仕事に入れませんでした。退職の手続きは関係者の調整が難しく、正確に進めにくいことがセキュリティの危険を高めていました。部門からの苦情も多く、同じ作業に何度も立ち戻る状態でした。
02How ─ 変えたこと
人を足さず、入社と退職の流れを作り直した
担当者は、人を増やして解決する道を取りませんでした。予算がなかったうえ、人が増えるほど人のミスも増えると考えたためです。いまのチームのまま、仕事の量を何倍にも広げられる方法として、自動化を選びました。
基盤を選ぶ条件は4つでした。クラウドが中心であること、シングルサインオンに対応すること、使いやすいこと、そして構想から短い期間で実装までたどり着けることです。選んだ Workato をすばやく導入し、入社と退職の手続きそのものを設計し直すのと同時に進めました。担当者が重く見ているのは、個々の作業を自動にするだけでなく、手続きの流れ全体を順につなげて動かせる点です。
退職では、社内のアプリとつながった認証の仕組み(Okta)と連携し、利用の停止を退職日にぴったり合わせています。入社では、必要な道具がそろった社員を管理職に自動で知らせます。
マクセラスの解釈
入社と退職を同じ流れとして設計し直したことで、急ぎの入社だけでなく、後回しになりがちな退職の権限の停止まで漏れなく回る形になったと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01入社が決まる
- 02担当が手で設定
- 03順番を待つ
- 04初日に使えない
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01入社が決まる
- 02担当が手で設定
- 03順番を待つ
- 04初日に使えない
AFTER
- 01入社が決まる
- 02自動で発行
- 03管理職に通知
- 04初日から使える
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- メールや VPN など入社時の発行
- 退職日に合わせた利用の停止(Okta と連携)
- 入社の準備がそろったことを管理職に知らせる
03After ─ 結果
VPNは9秒に。IT の発行の大半が自動で回る
VPN の手配は数時間から9秒になり、メールの発行は50倍の速さになりました。退職の手続きも、誤りや調整の行き違いが起きない形になったとしています。
3年で、IT のサービス提供の90〜95%を人の手を介さず自動で回せるようになり、人事・給与・施設・経理へも広げています。四半期に30件以上のペースで自動化を足し、苦情は毎日1件から、ほぼ無くなりました。
- 削減時間
- 月およそ6,500時間(300超の自動化の合計)
- 自動化の実行
- 月105,000〜120,000件
数字の出どころ
Workato が公開した Broadcom Inc. の導入事例による、同社の報告値です。月6,500時間は「約」付きの概算で、入社手続きだけでなく、300を超える自動化全体の合計です。ページに公開日の記載はありません。
04自社への応用
自社の入退社の手続きにも、同じ待ちはないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、人の出入りが増える前に、入社と退職を同じ流れとして作り直したことです。入社の準備が初日に間に合わない会社は少なくありません。
- 情シス
- 入社日までにアカウントがそろわず、初日に何もできない
- 人事
- 入社の連絡を、各部門へ手作業で回している
- 拠点が多い会社
- 拠点ごとに手続きが違い、担当者しか分からない
- 退職手続き
- 権限の削除が漏れ、退職者のアカウントが残る
まず何を調べるか
まず直近の入社者数人に、初日に使えなかった道具と、使えるまでの待ち時間を聞いてください。あわせて直近の退職者のアカウントが退職日に止まったかを確かめます。担当者の作業時間ではなく「本人が働けるまでの時間」と「止め忘れ」で見ると、入社が年に数人の会社でも詰まりが見えます。
あなたの会社なら、何時間か
手続きする側と、待っている本人の両方を人数に入れてください。
マクセラスの解釈
入口と出口を、同じ流れに乗せる。
入社は急ぐので仕組みになりますが、退職はあと回しになり、消えていない権限が残ります。私たちも、権限の話では入口と出口を必ずセットで見ます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 買収で人が増えるなか、入社の発行が追いつかず、退職の停止も正確に進めにくかった
- 人を足さずに済む自動化の基盤を4つの条件で選び、入社と退職の流れを作り直した
- 自社では、直近の入社者の待ち時間と、退職者のアカウントの止め忘れを確かめる
参考資料
- Broadcom Customer StoryWorkato・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

