この記事で分かること
- 繁忙期の入力に、なぜ社員総出で張り付いていたのか
- 読み取りの仕組みを選ぶとき、何を比べて決めたのか
- 自社で効果を見るために、まず何を数えるか
改善の結果
約6割削減
記帳の業務全体にかかる時間
出典は導入後の時間を「以前の4割ほど」と比率で示しており、時間数は公表されていません。そのため前後の比較は載せていません。
単純作業の95%を自動化
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
なぜ1〜3月は社員総出で入力していたのか
中央みらい会計事務所は税務代理を、トリプルエスは経理の記帳代行を担っています。顧客の多くは中小企業や設立間もない法人、個人事業主で、経理担当のいない会社の記帳を代わりに引き受けています。
記帳では、届いたレシートや領収書の中身を人が打ち込み、会計の専用ソフトで扱える形にします。量は月1万枚、作業時間は45時間を超えていました。確定申告前の1月から3月には入力が集中し、締め切りもあるため社員総出で当たっていました。
スタッフからは、時間があれば顧客の先々に向けた提案ができるのに、という声が出ていました。
02How ─ 変えたこと
精度を比べて選び、3か月試してから流れをつないだ
最初に、複数の会社の AI-OCR の試用版で読み取り精度を比べました。他社が65〜80%だったのに対し、選んだレシート・領収書向けのものは90%超え。手書き風のロゴや独特な書体、現金とクレジットの表記が混ざったレシートまで読めたのは、これだけだったといいます。
次に、3か月ほど実際の業務で検証しました。会計に要らない情報を省くマクロを作り、RPA とつないだときに問題が出ないかを確かめています。
現場の不安にも手を打ちました。「税務・会計に使えるデータが本当に取れるのか」「かえって手間が増えないか」という声に対し、操作のマニュアルを作り、使い始めてからもフォローしています。
今は、スキャナにレシートを差し込むと、読み取り・証憑のクラウド保管・CSV への変換までを RPA がつなぎます。人は自作のチェックの仕組みで全体の約5%弱を直し、最後に専用ソフトへ取り込みます。
マクセラスの解釈
人の仕事を「打ち込む」から「約5%弱を直す」に変えられたのは、精度を先に比べて選び、直す箇所を見つける仕組みまで用意したからだと当社は見ています。
業務の流れの前後
- 01レシートが届く
- 02人が見て打ち込む
- 03ソフトで扱う形に
3工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01レシートが届く
- 02人が見て打ち込む
- 03ソフトで扱う形に
AFTER
- 01スキャナに差し込む
- 02AIが読み取る
- 03CSVに自動変換
- 04約5%弱を人が直す
- 05ソフトに取り込む
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- レシート・領収書の読み取り
- 証憑のクラウド保管と CSV への変換
- 会計の専用ソフトへの取り込み
人に残したこと
- 読み取り結果の修正
- 自作のチェックの仕組みを使い、全体の約5%弱を人が直します。
- 顧客への提案
- 税制の変化への備えなど、提案の仕事に時間を使えるようになったとしています。
03After ─ 結果
単純作業の95%を自動化し、時間は以前の4割ほどに
掲げていた「作業自動化率95%」の目標は達成し、単純作業の95%が自動になりました。業務全体にかかる時間も以前の4割ほど、約6割の削減です。
代表の奥村氏は、浮いた時間で「今後税制が変わるのでこういった対策をしましょう」といった提案に時間を使えるようになったと話しています。
数字の出どころ
LINE WORKS OCR が公開した中央みらい会計事務所/トリプルエス株式会社の導入事例による数値です(2021年12月取材時点)。導入後の作業時間を時間数で示した記載はなく、公表されているのは比率です。精度の比較は、同事務所が試用版で比べた結果です。
数字についての問い
- 自動化95%と、時間の約6割減はどう違うのですか?
- 95%は単純作業のうち自動になった割合、約6割は業務全体の時間が減った割合で、出典は別々に示しています。人が直す作業など単純作業以外の仕事も残るため、全体の削減は95%より小さくなります。
04自社への応用
自社の入力作業にも、同じ形はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、読み取りの精度を先に比べて選び、人の仕事を「打ち込む」から「一部を直す」に変えたことです。紙を見て打ち込む仕事は、締め切りのある時期に山になります。
- 経理
- 月末に領収書と請求書がまとめて届く。それから入力が始まる
- 受発注
- FAXの注文書を見ながらシステムに打ち直している
- 人事・労務
- 紙の申請書を回収してから、システムへ転記する
- 現場管理
- 手書きの作業日報を、事務所でまとめて入力している
まず何を調べるか
まず繁忙期の1か月、入力した枚数と1枚あたりの時間を、通常の月と分けて記録してください。読み取りを試すときは、自社でいちばん読みにくい書類を混ぜて比べます。精度が9割でも、残りの1割を探すために全件を見直す形なら、時間は減りません。
あなたの会社なら、何時間か
枚数と1枚あたりの時間で計算できます。繁忙期の月で入れてみてください。
マクセラスの解釈
読み取りは、精度が足りないと確認作業に化ける。
8割しか読めず2割外れると、結局すべてを見直すことになります。だから私たちは、何%読めれば全件確認をやめられるかを先に決めます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 月1万枚のレシートを人が打ち込み、確定申告前の1〜3月は社員総出で入力していた
- 試用版で精度を比べて選び、3か月の検証とマニュアルを経て、人は約5%弱を直すだけにした
- 自社では、繁忙期の枚数と1枚あたりの時間を通常の月と分けて数えるところから始める
参考資料
- 中央みらい会計事務所/トリプルエス株式会社 導入事例LINE WORKS OCR・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

