この記事で分かること
- 取引先のリスクチェックで、何に時間がかかっていたのか
- 白山が確認のどこをやめ、どこに組み込んだのか
- 自社の確認作業で、まず何を書き出せばいいか
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
取引先1社の確認に、なぜ何人もの手がかかったのか
白山は通信回線や光情報通信の製品を作る独立系メーカーで、従業員は50〜199名です。多心光コネクタ用の部品で世界2位のシェアを持ちます。大手からの量産注文で事業を続けてきたため、新規開拓や販路拡大の経験が乏しく、営業のやり方を見直す必要がありました。
新しい取引先のリスクチェックは、購買部や営業部の担当者がデータベースで社名と否定的な言葉を組み合わせて検索し、気になる結果があれば情報源を確かめる。結果を Word にまとめて PDF にし、部長の承認を得てから、法務がもう一度確かめる流れでした。
議事録や週報も Excel と Word に分かれ、顧客単位・時系列では追いにくい状態でした。
02How ─ 変えたこと
部署ごとの検索をやめ、申請の流れに組み込んだ
名刺管理と顧客管理を備えたサービスを10社ほど比べ、2022年12月に Sansan を使い始めました。比較の段階から営業・法務・システムの担当者に加わってもらい、管理職や経営層にも早くから話を通しています。
リスクチェックの新しい流れは、法務の担当者が自分で考えました。まず、各部署がデータベースで調べる確認をやめています。次に、すでに使っていた人事労務のソフトと Sansan をつなぎ、取引先を申請する流れの中にリスクチェックを組み込みました。法務はその結果を見て、取引してよいかを判断します。
議事録や週報は Sansan の顧客情報の1か所にまとめ、案件の進み具合も全社で同じ画面から見えるようにしました。
マクセラスの解釈
変わったのは判断の中身ではなく、情報を集め、書類にし、何人もの手を回す工程です。確認を「別の作業」から「申請の流れの一部」に変えたことが、1件の時間を縮めたと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01社名で検索
- 02情報源を確かめる
- 03Wordにまとめる
- 04PDFで部長へ
- 05法務が再確認
5工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01社名で検索
- 02情報源を確かめる
- 03Wordにまとめる
- 04PDFで部長へ
- 05法務が再確認
AFTER
- 01取引先を申請
- 02チェック結果が出る
- 03法務が可否を判断
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 取引先の申請に合わせたリスクチェック
人に残したこと
- 取引可否の判断
- 法務が、チェックの結果をもとに取引してよいかを決めます。
03After ─ 結果
1件の確認は10分の1に。会議も短くなった
流れを変えたあと、リスクチェック1件にかかる時間は平均30分以上から3分ほど、およそ10分の1になりました。
議事録を一本化したことで会議の前に情報をつかめるようになり、会議は週90分から週60分以下に短くなりました。経営層も、現場からの報告を待たずに案件の状況をつかめるようになっています。
数字の出どころ
Sansan が公開した株式会社白山の導入事例による数値です(2023年7月時点)。対象は取引してよいかを判断するためのリスクチェックで、一般的な企業情報の調査ではありません。30分以上は以前の流れでの1件あたりの平均です。
04自社への応用
自社の確認作業にも、同じ形はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、判断は人に残したまま、情報を集めて書類にして回す工程を申請の流れに組み込んだことです。「念のため調べる」作業は、件数が増えた分だけ膨らみます。
- 新規開拓をする会社
- 初めての取引先ごとに、担当が自分で調べている
- 与信管理
- 決算情報や登記を、毎回別々のサイトで確認している
- 購買
- 新しい仕入先の素性確認が、担当の判断に任されている
- 士業
- 受任前の確認を、案件ごとに一から調べ直している
まず何を調べるか
まず、今の確認の手順を「誰が・何を見て・どこに書いて・誰に回すか」で書き出し、1件の時間を「集める・まとめる・判断する」に分けて測ってください。判断は人にしか担えませんが、集めてまとめる部分は流れに組み込めます。確認項目が人によって違うなら、そこを先にそろえます。
あなたの会社なら、何時間か
確認は新規の取引先が増えるほど積み上がります。担当が1人なら、その不在で取引が止まります。
マクセラスの解釈
調べる作業と、判断する作業を分けて数える。
確認の時間の多くは、判断ではなく情報を集めて回す時間です。私たちも確認作業の相談では、まず「何を見て決めているか」を聞きます。
05まとめ
まとめと参考資料
- リスクチェックは、部署ごとの検索・書類づくり・部長承認・法務の再確認と、何人もの手を回っていた
- 部署ごとの検索をやめ、取引先の申請の流れにチェックを組み込み、法務は結果を見て判断する形にした
- 自社では、確認の手順を書き出し、時間を「集める・まとめる・判断する」に分けて測る
参考資料
- 株式会社白山 導入事例Sansan・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

