この記事で分かること
- 急に人が増えた会社で、労務のどこが先に詰まったのか
- 本人に入力してもらう形にすると、何がなくなるのか
- 自社の入社手続きで、まず何を数えればいいか
改善の結果
3分の1以下に削減
労務にかかる時間
担当者が「労務にかかる時間は3分の1以下になった」と語った体感の値で、計測値ではありません。前後の時間は公表されていないため、前後の比較は載せていません。
労務担当2名で年間100名超の入社に対応
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
入社が続くと、労務のどこが詰まったか
クラウドワークスはクラウドソーシングを手がける会社です。取材時点(2016年9月)で従業員は全体200人、正社員100人超で、この1年で100人ほど増え、ほぼ倍になっていました。多いときは31名が同時に入社しています。
労務の担当のうち1名は経理と兼任で、聞き手の言葉を借りれば「1.5人」の体制です。手続きはすべて紙で、新入社員から受け取った個人情報を見ながら、入社に必要な書類を手書きで作っていました。必要な情報がそろわないため記入を何度も促し、誤りも多く、1件ずつ直してもらっていました。給与明細も紙で手渡ししていました。
02How ─ 変えたこと
本人が入力し、そのまま手続きに使う形に
2016年1月に SmartHR を入れました。きっかけはマイナンバーの収集と管理で、2要素認証や IP アドレスの制限があったことから、導入もすんなり進んでいます。
使い始めると、入社の手続きにも範囲を広げました。メールで新入社員に入力を頼むだけで情報がそろい、入力欄の作りのおかげで誤りもほとんど出ません。退社の手続きや扶養の追加も本人に申請してもらい、役所への手続きは電子申請に切り替えています。集まった情報は、そのまま人事のデータベースとしても使っています。
給与明細はメールでの一斉配布に変えました。外部から届く200枚以上の明細を各部長が配っていた手間がなくなっています。
マクセラスの解釈
変えたのは「書いてもらって写す」順番です。本人が最初からデータで入れるので、督促・誤記の修正・手書きの転記がまとめてなくなったと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01情報を受け取る
- 02書類を手書き
- 03記入を督促
- 04誤記を直す
- 05紙で届け出
5工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01情報を受け取る
- 02書類を手書き
- 03記入を督促
- 04誤記を直す
- 05紙で届け出
AFTER
- 01本人が入力
- 02そのままデータに
- 03労務が確認
- 04電子申請
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 本人の入力をそのまま手続きのデータにする
- 役所への電子申請
- 給与明細のメール配布
人に残したこと
- 入力と申請
- 新入社員や社員本人が、自分の情報を入力し、扶養の追加なども申請します。
- 手続きの処理
- 労務の担当者が、集まった情報で手続きを進めます。
03After ─ 結果
労務の時間は3分の1以下に。空いた時間で人事制度を
本人入力と電子申請を合わせて、労務にかかる時間は3分の1以下になったと担当者は話しています。給与明細の手配りに全体で半日以上かかっていた作業も、すべてなくなりました。
生まれた時間で、担当者は副業・リモートワーク・フレックスを自由化する新しい人事制度の導入を進めたとされています。
- 給与明細の配布
- 200枚以上の手渡し(半日以上)を廃止
数字の出どころ
SmartHR が公開した株式会社クラウドワークスの導入事例による数値です(取材は2016年9月時点)。労務の時間の削減は担当者の体感として述べられたもので、計測値ではありません。同事例の「社員アンケートで6割の生産性が向上」は、副業やリモートワークを自由化した人事制度の効果として書かれており、労務の効率化の効果ではありません。取材は古いため、数字ではなく手続きの形を参考にしてください。
04自社への応用
自社の入社手続きも、書いてもらう形のままか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
人が増える会社では、労務が最初のボトルネックになります。この事例の要は、紙で書いてもらう限り督促と誤記の修正がなくならないことです。
- 成長中の会社
- 採用は増やせても、受け入れる手続きが追いつかない
- 労務が兼任
- 経理や総務と兼任していて、繁忙期が重なる
- 同時入社が多い
- 4月に何十人も入る。その月だけ他の業務が止まる
- 紙の手続きが残る
- 書いてもらうまで進まない。督促に時間を使う
まず何を調べるか
次の入社で、記入を督促した回数と、誤りを直してもらった回数を数えてください。1人あたり何回もあるなら、本人が画面から入力する形に変える効果は大きくなります。担当が1人しかいない会社では、その人が休んだ月に入社があると止まることも見ておいてください。
あなたの会社なら、何時間か
1人の入社手続きにかかる時間と、年間の入社人数で計算できます。
マクセラスの解釈
書いてもらう限り、督促はなくなりません。
督促の時間は誰の作業時間にも計上されないので、集計すると実感より大きくなります。本人が入力する形にできれば、写す工程も督促も同時になくなります。
05まとめ
まとめと参考資料
- 従業員が1年でほぼ倍になるなか、紙の入社手続きと督促・誤記の修正に労務が追われていた
- マイナンバー管理を入口に、本人入力と電子申請、給与明細のメール配布へ広げた
- 自社では、次の入社で督促と修正の回数を数えるところから始める
参考資料
- 株式会社クラウドワークス 導入事例SmartHR・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

