この記事で分かること
- 紙の承認が、なぜ月初の出社とマネージャーの残業を生んでいたのか
- 会計システムを選ぶとき、ランサーズが何を決め手にしたのか
- 自社の承認で、まず何を1か月記録すればいいか
改善の結果
約30時間削減
経理部門全体の月初業務
出典が公表しているのは、経理部門全体の月初業務で減った時間です。月初業務にかかっていた時間の前後は示されていないため、前後の比較は載せていません。
承認を一手に担うマネージャーは月70時間減
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
紙の承認は、誰の時間をどう奪っていたか
クラウドソーシングを手がけるランサーズ(51〜300名規模)の経理部門は6名で、そのうちマネージャー1名がすべての承認を受け持っていました。仕訳を作るたびに、根拠の資料や内部監査用の証憑を紙に打ち出し、担当者が日付と名前を書いて押印し、マネージャーもチェックして押印します。
月次は5営業日で締めるため、メンバーは月初の4営業日ほど出社し、午前中に印刷・記名・押印を済ませていました。子育て中のメンバーが多く、出社できない日は承認が後回しになります。ミスがあれば修正と再申請になり、マネージャーは承認業務に月110時間ほどかけていました。
02How ─ 変えたこと
既に使っていたクラウドと、会計をつないだ
同社は経費精算・支払・請求書を、すでにマネーフォワードのクラウドで扱っていました。会計システムは過去に5社を比べて見送った経緯があり、今回は3社を検討しています。決め手は、既存のサービスと自動でつながることと、一部だけ導入できることでした。大きなパッケージへの移行は考えていませんでした。
クラウド会計Plusを入れ、承認申請を画面の上で回す形にしました。以前は会計システムに取り込んだデータを紙に打ち出して確認していましたが、連携によって印刷そのものが要らなくなり、証憑もクラウドに保管されます。
手作業のつなぎも減らしています。源泉所得税のある支払いは、取り込み後に仕訳を作り直していましたが、今は CSV を取り込むだけで正しく反映されます。データが全員に共有されるため、メンバー全員が確かめてからマネージャーが確かめる二重のチェックも組みやすくなりました。
マクセラスの解釈
時間を生んだのは入力の速さではなく、印刷・押印・出社という「紙を動かす工程」がなくなったことだと当社は読んでいます。承認そのものは残し、承認の前に人がつないでいた部分をシステム同士の連携に置き換えています。
業務の流れの前後
- 01紙に打ち出す
- 02記名・押印
- 03出社して提出
- 04上長が押印
- 05PDF化して保管
5工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01紙に打ち出す
- 02記名・押印
- 03出社して提出
- 04上長が押印
- 05PDF化して保管
AFTER
- 01自動で連携
- 02画面で申請
- 03全員が確認
- 04上長が承認
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 経費・支払・会計のデータ連携
- 源泉所得税のある仕訳の反映(CSV 取り込み)
- 証憑のクラウド保管
人に残したこと
- 申請と承認
- メンバーが確かめ、マネージャーが承認します。紙ではなく画面の上で行います。
03After ─ 結果
マネージャーの月70時間と、月初の約30時間
承認を一手に担っていたマネージャーの業務時間は月70時間減り、経理部門全体の月初業務も約30時間減りました。経理メンバー5名は全員が時短勤務ですが、それでも業務が回り、ほぼ出社せずに働けています。
時間に余裕ができ、メンバーから改善の案や「勉強したい」という声が出るようになったとされています。フルリモートを希望する経験者の採用にもつながりました。
- 業務時間の削減(事例の見出し)
- 30%以上
- 承認業務(導入前・マネージャー)
- 月110時間ほど
数字の出どころ
マネーフォワードが公開したランサーズの導入事例(2023年7月公開)で、同社コーポレート部長が語った値です。70時間はマネージャーの月の業務時間、約30時間は経理部門全体の月初業務の削減です。30%以上は事例の見出しの値で、何に対する割合かは本文に示されていません。
04自社への応用
自社の月初にも、紙を動かす工程はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、承認を1人が担い、その承認が紙と出社に縛られていたことです。「押印が要るから出社する」が残る会社は、そこが月初の詰まりになっています。
- 経理
- 月初に紙が集中する。締めが後ろにずれる
- 購買・発注
- 発注書の押印待ちで、発注が翌日以降になる
- 人事・労務
- 雇用契約の押印のために出社日を合わせている
- 営業
- 見積の承認印をもらうために社内を回っている
まず何を調べるか
まず1か月、承認のために出社した日数と、申請してから承認されるまでの日数を記録してください。作業は10分でも、承認まで3日かかっていることがあります。承認が1人に集中しているなら、その人の承認時間も一緒に測ってください。
あなたの会社なら、何時間か
申請する人・承認する人・処理する人の3者が関わります。人数に全員を入れてください。
マクセラスの解釈
押印は、作業ではなく待ち時間を生みます。
押す行為は3秒でも、押せる人に会うまでが1日です。承認をなくすより、承認までの紙と移動をなくすほうが現実的で、統制も記録として残せます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 紙の承認のために月初は出社が必要で、承認を1人で担うマネージャーに負荷が集中していた
- すでに使っていたクラウドと会計をつなぎ、印刷・押印をなくして画面の上で承認する形にした
- 自社では、承認のための出社日数と、申請から承認までの日数を1か月記録するところから始める
参考資料
- 紙ベースでの業務から脱却。業務効率化とペーパーレス化により、業務時間の30%以上を削減マネーフォワード・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

