この記事で分かること
- 1件約20分の作業が、どうしてグループ全体の大きな時間になったのか
- グループ各社で違う精算のやり方を、どう1つの仕組みにそろえたか
- 自社の精算で、まず何を掛け算すればいいか
改善の結果
月1,800時間削減
グループ全体の経費精算・請求書処理
導入前は月3,600時間以上かかっており、その「半分近く」を減らしたとされています。導入後の時間そのものは公表されていないため、前後の比較は載せていません。
年間で2万時間以上
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
短い1件が、グループ全体でどう積み上がったか
クレハは機能製品や樹脂製品を手がけるメーカーで、連結で4,259名(2022年3月時点)の規模です。国内のグループ会社全体で、経理・財務の効率化が求められていました。
経費精算は会社ごとにやり方がばらばらで、大半の会社が紙か Excel の精算書に記入し、領収書や請求書の原本を貼って経理へ出していました。紙のやりとりと確認・保管、会計システムへの再入力が、申請する側と経理の両方の負担になっていました。
マクセラスの解釈
1件の時間は申請する人・承認する人・経理の3者にまたがります。1人ずつの手間は小さく見えるため、全体の大きさは件数を掛けるまで見えにくい形だったと当社は見ています。
02How ─ 変えたこと
グループ共通の仕組みを、会社ごとに順に入れた
最初に決めたのは、グループで1つのシステムにそろえることです。会計を含む基幹システムはグループで統一されており、項目も多いため、必要な項目を基本データや仕訳データとして会計へ渡せることを第一の条件にしました。数社に同時に問い合わせて比べ、最後の2社からはコストで選んでいます。
設定は2段に分けました。会計への連携を中心とするグループ共通の設定はベンダーの代行でまとめて作り、会社ごとの承認経路や手当の設定はその知見を使って複数社を並行して進めています。対象は社員の経費精算だけでなく、外部から届く請求書の支払依頼も含みます。
導入は2022年6月から12月にかけて、グループ会社ごとに進めました。直接入力や領収書のスキャンという手順の変化に慣れてもらうため、各社で説明会と事前のトレーニング期間を設けています。電子帳簿保存法のオプションも使い、紙のやりとりをやめて、申請・承認・チェックを画面の上だけで終える形にしました。
マクセラスの解釈
共通の部分を先にまとめて作り、会社ごとの違いだけを後から足したことで、グループ一斉の切り替えでも混乱を抑えられたと当社は読んでいます。
業務の流れの前後
- 01紙で申請
- 02原本を貼る
- 03紙で回覧
- 04会計へ再入力
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01紙で申請
- 02原本を貼る
- 03紙で回覧
- 04会計へ再入力
AFTER
- 01画面で申請
- 02画面で承認
- 03経理が確認
- 04会計へ連携
出典に書かれている役割の分け方
機械に任せたこと
- 会計システムへの連携(再入力をなくす)
- 証憑の電子保存
人に残したこと
- 申請と承認
- 人が行います。紙を回すのではなく、画面の上で済ませます。
- 経理のチェック
- 経理の確認も、紙ではなくシステムの上で行います。
03After ─ 結果
月1,800時間、年間2万時間以上が減った
導入前は、申請する人・承認する人・経理を合わせて1件あたり約20分かかり、申請は月1万件以上ありました。月3,600時間以上を使っていた計算です。導入後はその半分近く、月1,800時間を減らしています。領収書や請求書の郵送費もなくなりました。
グループで同じ仕組みを使うことで、会社ごとの規程や勘定科目の違いが見えるようになり、業務の標準化を検討できるようになったとされています。出社しなくても精算できる場面も増えています。
- 対象
- 月1万件以上・1件あたり約20分
数字の出どころ
楽楽精算が公開した株式会社クレハの導入事例で、同社が示した値です。3,600時間以上は1件約20分と月1万件以上から出した計算で、削減は「半分近く」、月1,800時間・年間2万時間以上と表現されています。郵送費の金額は公表されていません。
04自社への応用
自社にも、件数で積み上がる仕事はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、1件20分の作業でも、関わる人と件数を掛けると大きな時間になることです。1件が短い作業ほど、時間を測られないまま積み上がります。
- グループ会社を持つ企業
- 会社ごとに精算のやり方が違い、比べられない
- 経理
- 1件は10分でも、月に何百件あるか数えたことがない
- 営業が多い会社
- 全員が毎月精算する。1人あたりは短いが人数が多い
- 現場を持つ会社
- 現場から本社へ書類が届くまで処理できない
まず何を調べるか
まず先月の申請件数を数え、申請する人・承認する人・経理の3者を合わせた1件あたりの時間を、何件か測ってください。「1件あたりの時間 × 件数」が月の総時間です。件数を数えていない会社ほど、出てきた数字に驚きます。
あなたの会社なら、何時間か
申請する人・承認する人・経理の3者を合わせた時間で入れてください。
マクセラスの解釈
1件が短い仕事は、誰も問題だと思っていません。
件数を掛けて初めて数字になり、測らない限りこの時間は存在しないことになります。会社ごとにやり方が違うなら、そろえるときは共通の部分から作り、違いを後から足すほうが早く進みます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 紙と Excel の精算書、会計への再入力が、3者で1件約20分、月1万件以上積み上がっていた
- グループ共通の設定を先に作り、会社ごとの違いを後から足して、会社ごとに順に切り替えた
- 自社では、先月の件数と1件あたりの時間を掛け、月の総時間を出すところから始める
参考資料
- 株式会社クレハ 導入事例楽楽精算・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

