図面がすぐ見つからない会社は利益を落とす。原因と対策10選
- 「あの図面どこ?」が毎日のように飛び交う
- 過去の類似案件を探すのに毎回10分以上かかる
- 図面の版数を間違えて、やり直しやクレームにつながったことがある
一見「仕方ない」と流されがちなこれらの問題は、実は
そのまま会社の利益を削り続けている原因です。
図面がすぐに見つからないということは、裏側で
「探す時間」「やり直し」「ミス」「機会損失」が積み重なっているということです。
しかも、日々の忙しさの中でそのコストが「見えにくい」ため、対策が後回しになりがちです。
本記事では、図面が見つからない原因を
10の視点に整理し、
今日から現場で試せる対策と、
その先にあるシステム導入による根本解決の方向性までを解説します。
| チェック項目 | 状況 | リスク |
|---|---|---|
| 図面検索に5分以上かかることがある | 「よくある」「たまにある」 | 年間の人件費ロスが大きくなる |
| 最新版と旧版が同じフォルダに混在している | 「心当たりがある」 | 加工ミス・クレーム・信用低下 |
| ベテランに聞かないと分からない図面が多い | 「ほとんどそう」 | 属人化・引き継ぎリスク |
一つでも「うちのことだ」と感じたら、
図面管理の見直しどきかもしれません。
1.ファイル名がバラバラで検索にヒットしない
同じ顧客でも「A社_部品01.dxf」「部品1(最終).dwg」「2024-05-10_加工.dxf」など、
担当者ごとにファイル名の付け方がバラバラだと、
検索しても目的のデータにたどり着けません。
原因
- 命名ルールが途中で変わっている
- 新入社員や外注先にルールが伝わっていない
- 「急いでいるから」と一時的な名前のまま運用されている
対策
ポイント
「簡単で守りやすい命名ルール」を決め、チーム全員で徹底します。
- 顧客名 / 案件番号 / 部品名 / 版数 / 日付などを組み合わせる
- まずは新規案件からルール適用をスタートする
- サンプルを用意し、「このパターンで」と共有する
最初から100点を目指すと現場がついてこれません。
「今から作る図面だけでもルールを統一する」ところから始めるのがおすすめです。
2.保存場所が部署ごと・人ごとに分散している
設計は設計サーバー、製造は製造PC、営業は自分のノートPC…と、
保存場所がバラバラだと、“どれが最新なのか” 誰も把握できなくなります。
対策
- 図面の「公式な保存場所」を一つ決める
- 個人PCには原則コピーを残さないルールにする
- クラウドや図面管理システムで、どこからでも同じ場所にアクセスできるようにする
まずは「ここにない図面は、正式な図面ではない」と言い切れる
“基準となるストック場所”を作ることが重要です。
3.フォルダ構成だけに頼っている
年別・顧客別・製品別…とフォルダを細かく分けていくと、
整理されているように見えて、「どこに入れたか分からない」という状態になりがちです。
フォルダ構成だけでは、現場でよく使う
「顧客名 × 製品名」や「過去の類似案件」といった探し方に限界があります。
対策
検索を強化する フォルダではなく、
「キーワード検索」「属性検索」で探せる仕組みを用意します。
- 顧客名・図番・品番・材質・担当者名などを登録して検索できるようにする
- タグやメモ機能で、現場ならではのキーワードも紐づける
4.最新版と旧版が混在している
「最終」「最新」「本当に最終」など似た名前のファイルが並び、
気づかないうちに古い図面を使ってしまうケースは少なくありません。
- 加工や組立のやり直しで工数が二重に発生
- 納期遅延による信用低下
- 最悪の場合、クレーム・損害賠償につながるリスク
対策
- 版数(Ver.1、Ver.2…)やリビジョン(A、B、C…)をルール化する
- 「試作」「確定」などステータスを明示する
- 図面管理システム上で履歴を一元管理し、「今使うべき最新版」を1クリックで表示できるようにする
5.ベテランの“頭の中”に情報が偏っている
「この案件なら、あの棚のファイル」「このお客さんは過去にこういうトラブルがあった」など、
経験に基づく情報は非常に価値があります。しかし、
その情報が“人にくっついている”状態だと、大きなリスクになります。
対策
- 図面ごとに、注意点や過去の変更履歴をメモとして残せる仕組みを用意する
- 「よくある質問」や「注意事項」を若手と共有する場をつくる
- 検索すれば誰でも同じ情報にアクセスできる状態を目指す
目標は、「聞かないと分からない」から「調べれば分かる」へのシフトです。
6.紙図面とデータが二重管理になっている
キャビネットの紙図面とサーバーのデータ図面。
両方を最新に保とうとすると、更新のたびに手間もミスも増えていきます。
対策
- 「紙は閲覧用、正式版はデータ」と役割を分ける
- 紙図面を順次スキャンしてデータに集約する計画を立てる
- 現場ではタブレットなどで閲覧できる環境を検討する
二重管理をやめ、「データを基準にする」と決めることが、長期的なコスト削減につながります。
7.アクセス権限が整理されていない
見る必要のない図面まで誰でも見られたり、逆に必要な図面にアクセスできなかったりする状態は、
効率面・セキュリティ面の両方で問題です。
対策
- 部署・役割ごとに「見える範囲」を整理する
- 図面ごとに閲覧権限を設定できる仕組みを導入する
- 誰がいつどの図面を見たかログを残す
目指すのは、「必要な人が、必要な時に、必要な図面だけにアクセスできる」環境です。
8.検索条件が人によってバラバラ
ある人は顧客名で、別の人は案件番号で、また別の人は品番で…。
探し方が人ごとに違うと、「自分は見つからないけど、あの人なら知っている」という
ムダな問い合わせが増えていきます。
対策
- 「必ず登録する情報(顧客名・案件番号・品番など)」を決めて統一する
- よく使う検索条件をテンプレート化しておく
- 標準的な探し方を教育・マニュアルで共有する
9.「とりあえずデスクトップ」が習慣化している
とりあえずデスクトップに保存して、そのまま数カ月…。
PCの故障や買い替えのタイミングで、
重要な図面が行方不明になるリスクがあります。
対策
- デスクトップ保存は禁止し、「一時保存フォルダ」を共通で用意する
- 一時フォルダは定期的に空にする運用を決める
- 可能であれば、図面管理システムに直接保存するフローを作る
10.「探す時間のコスト」を誰も把握していない
図面が見つからない一番の根本原因は、
「探す時間がどれだけの損失か」を会社として数字で把握していないことかもしれません。
仮に、社員1人が1日あたり10分、図面を探しているとします。
- 10分 × 20日 × 10人 = 月あたり2,000分(約33時間)
- 時給3,000円換算なら、約10万円/月が「探すだけ」で消えている計算
これが1年続けば、100万円以上のロスになる可能性もあります。
一度、現場で「図面を探している時間」を計ってみるだけでも、
改善に向けた大きな第一歩になります。
まとめ:図面がすぐ見つかる環境は、それだけで“利益”になる
図面がすぐに見つからない会社では、次のようなムダが積み重なっています。
- 探す時間が増える
- やり直しやミスが増える
- ベテラン頼みの属人化が進む
- 見積や回答が遅くなり、ビジネスチャンスを逃す
逆に言えば、
「必要な図面にすぐアクセスできる環境」そのものが、会社にとっての利益です。
命名ルールやフォルダ整理など、今日からできる改善もありますが、
担当者の努力だけに頼る運用にはどうしても限界があります。
そこで、検索・共有・履歴管理をまとめて行える図面管理システムを活用することで、
現場の負担を減らしつつ、ミスや属人化のリスクを大きく下げることができます。
※本記事の内容は一般的な考え方であり、自社の状況に応じて最適な運用方法をご検討ください。
